アーカイブ ‘ 2017年 8月

10月に行う公開ワークショップのお知らせ

10月にBIPS公開ワークショップを行います。

今年6月のBIPS公開ワークショップに引き続き、10月の公開ワークショップのテーマは「父親としてのスタイル」です。

現代は、いろいろ深刻な問題はありつつも、「人権」という点において多くを論じられ、個々人が尊重される方向に向いていると思われます。健全で尊重しあえる関係ではない、パワハラ、モラハラ、セクハラ、いじめ、虐待、ストーカーという陰湿なものが衆目に晒されるようになり、何らかの対処が為されることが増えているのは、大変、喜ばしいことです。

その反面、核家族化、夫婦共働き、男性育休、昔ながらのコミュニティの崩壊、個人主義、終身雇用制から能力主義への移行など、社会を取り巻く構造が大きく変化し、その影響によって個々人の家庭内や社会のなかでの役割も大きく変化してきています。ですから私たちは、父親とはどういうものか、母親とはどういうものか、というイメージが湧きにくくなってしまっています。

このような変化に加えて自然災害、景気、放射能への怖れなどの影響もあり、外界に順応するために私たちは、予想を遙かに超えるストレスを負っている可能性があります。

そのような現代社会において私たちは、自分の内面にある質に目を向けるよりも、外界に順応するために必死になり、社会的役割、仕事、地位などにしがみつき、それを自分と同一化して生活の目処や安心を得ようとする傾向にあります。安定を求めるのは自然なことです。しかし、外界に基準を置くことだけではなく、自分自身の内面に基準を置くことにも意識を向けなければ、私たちの本当の幸せ、深い寛ぎは訪れないのです。

ストレス下では、状況を受け容れる母性的な懐の強さとともに、現状を打破していく父性的な行動力が必要です。なぜならば、多くの人たちを観ていて感じることですが、母性的な状況を受け容れる強さではなくて他者の意見の言いなりになって無気力、抑うつ的になる人たちや、父性的な健全な行動力というものがどういうものかを知らず、様々なハラスメントに繋がる誤ったパワーを行使してしまう人たちが、社会のなかに多く存在するからです。

今回のワークショップでは、心理療法的な関係性を通して、父親の存在を身心ともに体験できる状況を作り出し、私たちの身体のなかで父性の質を活き活きと感じ、そのイメージを保持(内在化)する方法を学んでいきます。外界に順応するためだけの行動力ではなく、社会のなかで自分の内面にある欲求、信念、気持ちに繋がりながら発揮する行動力を身につけていきましょう。役割としての振る舞い方を学ぶ場ではなく、私たちに本質として具わっている父性のエネルギーを感じていくワークショップになります。

現在父親である方はもちろんのこと、男性女性にかかわらず、自分の思いを行動に移したいと思っている方には、今回のワークショップはいい機会となります。どうぞご検討ください。

_______________________

日 程:2017年10月20日(金)14時開始〜10月22日(日)16時終了
※合宿形式のワークショップとなります。

会 場:伊予ロッヂ(JR小海線清里駅より送迎バス)
 山梨県北杜市高根町清里 3545

講 師:ルーベンス・キグネル
(BIPSメインディレクター)

通 訳:国永史子(BIPSディレクター)

スタッフ:贄川治樹(BIPSディレクター)

対 象:一般の方、専門家問わず、ご興味のある方

定 員:20名

料 金:70,000円(消費税、2泊4食付き)

申込期日:2017年10月13日

振込期日:2017年10月18日

問い合わせ先/申込先:BIPS 事務局(贄川)

MAIL:office@bodypsychotherapy.jp

申込方法:名前・住所・連絡先を明記の上、BIPS 事務局までお申込みください。

_______________________

ルーベンス・キグネル氏の略歴
ブラジル ポウリスタ大学大学院 心理療法における身体コース コーディネーター
1950 年サンパウロ生まれ。FACULDADES大学社会学部卒業。心理療法家でありコミュニケーションと記号学の教授。ロンドン・ゲルタ・ボイスン・ センターでバイオダイナミックス・トレーニング修了。ロンドン・バイオエナジェティックス分析研究所(アレクサンダー・ローエン主宰)でジョン・ピエラコ スよりトレーニング修了。チューリッヒ・バイオシンセシス国際センターでデイビッド・ボアデラに師事。アメリカ・エサレン研究所でポール・ピエラコスより ゲシュタルトセラピー修了。ニューヨークにてアレクサンダー・ローエンより、バイオエナジェティックス特別上級者トレーニング修了。アルゼンチンにてサイ コドラマのトレーニング修了。ブラジル精神分析協会にて精神分析のトレーニング修了。これまで、デイビッド・ボアデラ、ゲルタ・ボイスン、アレクサン ダー・ローエンの出版物の翻訳、監修に携わる。フランス、イタリア、日本、メキシコ、ブラジルを含む南米諸国でボディサイコセラピーのトレーナーを務め る。20年以上バイオシンセシス、バイオダイナミックスの国際トレーナーとして活躍。イタリア、ボローニア大学にてコミュニケーション学の博士号取得。 2005年には、ブラジルで行われたボディサイコセラピー国際会議の議長を務める。

密息を学ぶワークショップのお知らせ


BIPS主催のイベントではありませんが、BIPSのディレクターの一人である贄川が企画しているワークショップをご紹介します。

日本が世界に誇る尺八演奏家 中村明一氏より「密息」を学ぶワークショップです。

___________________________
日 時:9月18日(祝日) 14時30分〜16時30分 ※受付開始14時
講 師:中村明一
場 所:オーキッドミュージックサロン ※二子玉川駅より徒歩3分
料 金:12,000円(消費税込)
定 員:30名(どなたでも大歓迎です)
申込先:http://rhythmtherapy.jp/201709_events.pdf 参照のこと
___________________________

中村明一氏の略歴に関しましては、申込先のサイトアドレスに掲載していますプロフィールでご確認頂けたらと思いますが、日本文化について造詣が深い松岡正剛氏がお気に入りの尺八演奏家です。また、「密息」には、武道家であり哲学研究者、思想家である内田樹氏も興味を持たれました。

内田樹氏が中村明一氏の元を訪ねられ、密息を体験された体験が書かれていますブログがあります。まずは「内田樹の研究室」のブログをご参考ください。

http://blog.tatsuru.com/2008/11/04_1202.php

私、贄川も20代後半には集中的に激しい呼吸法を用いる心理療法(ホロトロピック・ブレスワーク)を3年間継続的に受け、ボディサイコセラピーをするようになってからさらに呼吸の重要性を実感してきました。3年前にはインドにてプラーナヤーマを学んだ経緯もあり、今回、日本人がずっとしてきた密息を体験したいと思い立ち、中村明一氏にご指導をお願いした次第です。

心身を統合する重要な要素は「呼吸」です。ボディサイコセラピーの父であるウィルヘルム・ライヒは「セラピーを行っていて、何をしていいか分からない時には呼吸を見なさい」と言っています。それほど心身統合には呼吸は欠かせない要素です。ボディサイコセラピーはもちろんのこと、文化、精神構造、身体の使い方、人としての在り方、セラピストのスタンス、立ち振る舞い、声楽、演奏、全てに通じるのは呼吸です。

今回のイベントはBIPS主催ではありませんが、ボディサイコセラピーを日本人に根付かせるには、日本古来から伝わり、日本人の身体に合った呼吸法を身につけることは役立つと思い、紹介いたしました。

以下に、中村明一氏のご著書「『密息』で身体が変わる」の序章を紹介します。長文になりますが興味のある方にとっては、興味深い内容だと思います。

序文の最後にある中村明一氏の言葉で、ワークショップの紹介文を締めくくりたいと思います。

「かつて日本人が身につけていた、深く静かでゆるやかな呼吸、あなたのなかに眠っている古来の呼吸法、豊かな『息の文化』を取り戻そうではありませんか。」
___________________________

序章 鍵は「密息」にあり

私が演奏のときに行っている呼吸法は、西洋音楽の腹式呼吸や、胸式呼吸とはまったく違います。

「密息」は尺八の演奏を突き詰めていく中で出会うことのできた呼吸法ですが、調べていくうちに、これは演奏家にとっての特殊な呼吸法ではなく、日本人が古来、ごく自然に行っていた呼吸のしかたではなかったのかと思うに至りました。

ごく簡単にいえば、腰を落とし(骨盤を後ろに倒し)た姿勢をとり、肚は吸うときも吐くときもやや張り出したまま保ち、どこにも力を入れず、身体を動かすことなく行う、深い呼吸です。外側の筋肉ではなく深層筋を用い、横隔膜だけを上下することによって行うこの呼吸法では、一度の呼気量・吸気量が非常に大きくなり、身体は安定性と静かさを保つことができ、精神面では集中力が高まり、同時に自由な解放感を感じます。

現代の日本人は、それぞれ多様な生活様式で暮らしていて、ひとくくりにすることなどできないように思われます。しかし、日々起きているさまざまな事件、事象をみていると、理屈ではなく肌身に感じることがあります。

いま、日本の社会は極端に「弱っている」。不安感、閉塞感、コミュニケーション不全、キレやすく無気力。働いて自活したり、結婚して子どもを生み育てたりという生活の本質に取り組みたくない、いやそれどころか生きる喜びを追求することにすら関心が持てないという人がいる。自分自身とそれをとりまく社会の確かさ、内なる強さに、信頼が置けないのです。日本固有の文化の豊かさ素晴らしさに気づかず、誇りを持つことができないのです。戦争や経済復興の荒波をくぐりぬけて歴史上もっとも豊かな時代を謳歌しているはずの今日、なぜこのように私たちの社会は弱ってしまっているのでしょうか。

これは身体からの警鐘であると、私は思うのです。

…中略…

かつて畳に座り、帯を腰に締めて着物を身につけ、農作業や職人仕事など身体を駆使して働いてきた日本人は、脚を踏ん張り腰を落として、ごく自然に「密息」をしていました。近代以降百余年、椅子に腰掛け机に向かい、洋服をまとい、乗り物に乗って移動するような生活スタイルの変化によって、私たちはそれまでの足腰の強さ、身体の使い方の技術を失いました。けれども西洋式の腹式呼吸は、いまだ完全にはできていない。骨盤を直立させた姿勢を保持して換気する腹式呼吸をするには、強靱な表層腹筋が必要なのです。

…中略…

「密息」を行うことで全身の感覚が研ぎ澄まされ、周囲の世界がまるで変わったように思いました。さらに、このことが、日本文化の秘められた豊かさとも通底していることを、再発見することができました。私のささやかな呼吸巡礼の過程をたどりながら、「密息」と日本文化の関わりについても考察してみたいと思います。

かつて日本人が身につけていた、深く静かでゆるやかな呼吸、あなたのなかに眠っている古来の呼吸法、豊かな「息の文化」を取り戻そうではありませんか。

BIPS 最新情報ブログ

このブログはBIPS(BIO Integral Psychotherapy School)の活動に関するブログで、セラピスト養成トレーニング、プレトレーニング、公開ワークショップ等の活動をいち早くお知らせいたします。

BIPS公式サイト

2017年8月
« 6月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031