メイン・ディレクターよりご挨拶
日本の皆さまへ
1980年以来私は、日本、ブラジル、フランス、イタリア、チェコ共和国、ハンガリー、イスラエル、アルゼンチン、アメリカ合衆国、ドイツ、スイスなど、世界のいろいろな国でボディサイコセラピーのトレーニングを指導してきました。これらの国々でのワークは、そのすべてのトレーニングにおいてしっかりと進展を見せました。トレーニングそのもの、さらにはトレーニングの参加生から刺激を受けて興味を持った、参加者の数は大幅に増加し始めています。
ボディサイコセラピーでは、からだを通すことによって、言語セラピーに比べてはるかに短時間に、そしてさらに深く無意識や非意識に近づくことができるようになりました。私たちのトレーニングでは、ここ30年間に発展した最良のテクニックを、ひろく、信頼と倫理にかなった形で人に応用しています。
通常のボディサイコセラピーのテクニックに加え、最新の神経科学の知識を応用してからだのプロセスをより完全な形で理解しようと試みています。人間に関する哲学もまた、教育や心理療法のプロセスに応用しています。
心理療法の未来は、からだの知識にかかっています。ヨーロッパ、アメリカ合衆国、南米、オーストラリアでは、多くの心理療法家がボディサイコセラピーのトレーニングに参加しています。というのもそこで実際の臨床に必要な知識を得ることができるのと同時に、深い個人的な体験ができるからです。これは私生活や職業上直面しなければならない問題に取り組むうえで、とても貴重な体験になります。協会は他の団体に大きな影響力を持ち、本質への評価とともに、職業としても高い評価を得ています。例えばイタリアでは、心理療法家の国家資格を取得するための条件として、ボディサイコセラピーのトレーニングへの参加が必須となっています。
現在私は、ブラジルのサイコセラピー協会の会長を務めています。この協会には複数のサイコセラピーの流れがありますが、会長をボディサイコセラピーから選んだということは、ボディサイコセラピーが高く評価されている事実を雄弁に物語っています。ウイーンに本拠がある世界サイコセラピー協議会の会長もまた、私たちの活動の熱心な支援者です。
日本で最初にボディサイコセラピーを紹介してからもう25年が経ちました。そのなかでBIPSは指導者間の強いきずなを作り上げ、指導する内容を深めてきました。この長い年月の間に参加した生徒からの信頼もたくさんもらいました。すでに生徒の延べ人数は500人を超え、さらに多くの人がこのオープンで創造的なトレーニングに参加しています。
日本での私たちの経験はとても深いもので、日本の文化、伝統を尊重し、意義深いスクールとして評価されています。今後のグループもまた、十分に期待にこたえることができることを切に望んでいます。
ルーベンス・キグネル
2010年3月
サンパウロにて